茨城県での猫のSFTS感染事例から学ぶこと
ニュースでご存知の方もいらっしゃると思いますが、先月茨城県で飼いネコのSFTS(重症熱性血小板減少症候群)感染が確認されました。関東でのペット感染は初とみられます。ネコは一時的に屋外へ脱走後、マダニに寄生され発症。高熱や嘔吐、黄疸を呈し数日で死亡したということです。
また、三重県ではSFTSに感染した猫の治療をした獣医師がその後自らもSFTSに感染し死亡したという、獣医療従事者にとってもショッキングな事例もありました。
茨城県の事例では、室内飼育かつ予防薬投与済みでも感染した事例であり、一瞬屋外に脱走してしまっただけで、このような結果になるということに、衝撃を受けます。
今までSFTS感染事例の多くが西日本でのことでしたが、近年の日本全国亜熱帯化しているような気象下では、既に東日本にもSFTSウィルス保有のマダニが身近に潜んでいると考えた方が良いでしょう。

SFTSは人獣共通感染症
マダニに直接刺されて感染するだけでなく、感染したペットの飛沫や血液・体液からヒトに感染することもあります。
高熱・消化器症状・黄疸・倦怠感等の症状
ヒトでは致死率が20〜30%と高く、重篤化する可能性があります。
私達ができること
* 犬も猫も室内飼育を徹底する。
* 犬も猫も室内屋外飼育に関わらず、ノミマダニ駆除薬の投薬を徹底する。
* 散歩やドッグランから帰ってきたら、玄関でブラッシング等してマダニがいないか身体チェックする。
* ヒトが外出先から室内に持ち込む可能性もあるので、同様に自身の衣服や靴や身体をチェックする。
* 野良猫さんに気軽に接触するのは避ける。素手や軽装での接触は避ける。
マダニの寄生ポイント
頭・耳・目のふち・お腹・足指の間・背中など、特に皮膚の柔らかいところは要チェックです。
もし、マダニを発見しても、無理に取ろうしてはいけません!!
既に吸血が始まっている場合はトゲが抜けずに残ってしまい、化膿したり病原体を犬猫にうつしてしまいかねません。
また、つぶしてしまうと卵を飛び散らせることになります。
ご自身がマダニに嚙まれたら、皮膚科等の医療機関を受診、ペットがマダニに寄生されていたら、動物病院を受診し、それぞれ適切な処置を受けて下さい。